顕証寺本堂を守るため、現在もっとも急がれる大屋根の修復に取り組む必要があります。

顕証寺本堂の大屋根

本堂全体ではなく、今は大屋根の修復を

顕証寺本堂の保存を考えれば、本来は本堂全体を見据えた大規模な修復が望まれます。
しかし、本堂全体の大修復には三十億円規模の費用が見込まれ、重要文化財指定や十分な補助・支援の道筋がなければ、現実的にすぐ着手することは困難です。

一方で、大屋根の傷みは待てる状況ではありません。
大屋根は本堂全体を雨風から守る要であり、屋根の傷みを放置すれば、雨漏りや木部の劣化を招き、堂内の欄間・彫刻・天井などの貴重な意匠にも影響が及ぶおそれがあります。

そのため顕証寺では、現在の大修復事業として、本堂全体を一度に修復するのではなく、喫緊の課題である本堂大屋根の修復を実現することを目指しています。
大屋根修復だけでも約五億円規模の費用が見込まれますが、今できる現実的な道として、何とかこの修復を進めたいと考えています。

現在わかっていること

現時点で顕証寺が把握しているのは、金剛組による概算の見立てと、大屋根の調査結果です。
具体的な工法、工期、施工範囲、部材の再利用の程度などは、今後の詳細な調査と専門的な検討を経て判断されることになります。

※現時点では、金剛組による概算の見立てと大屋根の調査結果をもとに、修復の必要性を整理している段階です。工法・工期・施工範囲などの詳細は、今後の調査や協議により定められます。

文化財の修復とは

顕証寺本堂は、久宝寺御坊としての歴史を背景に、規模、構造、意匠の面でも高い価値を有する建造物です。
そのため、大屋根の修復にあたっても、通常の屋根工事のように、古くなったものを一律に新しいものへ取り替えることはできません。

文化財の修復とは、建物に残されてきた部材や技術、当時の工法を丁寧に調査し、使えるものはできる限り活かしながら、受け継がれてきた歴史と価値を未来へつなぐための取り組みです。

大屋根の瓦についても、一枚一枚を屋根から下ろし、それぞれの状態を丁寧に調査します。
そのうえで、再利用できる瓦については可能な限り再利用し、補修が必要なもの、新しく補う必要があるものを慎重に見極めていきます。

大きな梁など、現在では同じような材料を入手することが難しい部材もあります。
どの部材をどこまで再利用できるかは現段階では確定していませんが、瓦一枚、釘一本、部材一つひとつに至るまで丁寧に確認し、記録していくことが、文化財としての価値を損なわない修復には欠かせません。

三百年以上、本堂を守ってきた瓦

顕証寺本堂の瓦
本堂大屋根の瓦の写真を掲載予定

大阪府の文化財担当者とのやり取りの中でも、瓦が三百年以上にわたって本堂を守り続けてきたことに驚かれる場面がありました。
それほど長い年月を経た瓦や部材は、単なる建材ではなく、顕証寺本堂の歴史を伝える大切な手がかりでもあります。

瓦一枚一枚には、長い年月の中で本堂を守ってきた歴史があります。
だからこそ、傷んでいるからといって一律に処分するのではなく、状態を確認し、使えるものを活かしながら修復を進める必要があります。

このような丁寧な調査と判断を重ねることが、顕証寺本堂を文化財建造物として守るために大切な姿勢です。

修復の過程で明らかになる価値

顕証寺本堂は、再建以来、本格的な調査が行われてきたわけではありません。
そのため、大屋根修復に伴う調査の中で、どのような部材が残されているのか、どのような技術が使われているのか、過去の修理の跡や建築当時の手がかりがどこまで確認できるのかは、現段階ではわかりません。

文化財建造物の修復では、工事に入って初めて確認できることも少なくありません。
瓦や下地、木部、釘などを一つひとつ調査していく中で、顕証寺本堂の歴史を伝える新たな発見がある可能性もあります。

つまり、大屋根修復は、本堂を守るための工事であると同時に、これまで十分に調査されてこなかった顕証寺本堂の歴史を読み解き、記録していく機会でもあります。
修復の過程で明らかになった内容は、可能な範囲で記録し、今後の文化財保護や情報発信にも活かしていきます。

今後の進め方

現時点では、具体的な工法や工期はまだ決まっていません。
まず必要となるのは、約五億円規模と見込まれる大屋根修復の事業費について、実現に向けた目途を立てることです。

事業費の目途が立たなければ、金剛組による詳細な調査や、具体的な修復計画の検討に進むことも難しい状況です。
そのため、現在の大きな課題は、大屋根修復の必要性を広くお伝えし、修復を実現するための支援体制を整えていくことです。

今後、詳細な調査と専門的な検討が進めば、瓦や部材の状態、再利用の可否、必要な補修内容、工法、工期などがより具体的に見えてくることになります。
それらの情報は、確定した段階で順次お知らせしてまいります。

費用について

本堂全体の大修復を行う場合、三十億円規模の費用が見込まれます。
重要文化財指定などにより十分な補助や支援の道筋が立つのであれば、本来は本堂全体を見据えた修復を行いたいところです。

しかし、現実には時間的にも金銭的にも、今すぐ本堂全体の大修復を進めることは困難です。
一方で、大屋根の傷みは待てる状況ではありません。

そのため顕証寺では、現在もっとも急がれる大屋根の修復に絞り、約五億円規模で何とか本堂を守る道を探っています。
それでも寺院だけで担うには非常に大きな金額であり、門信徒の皆さま、地域の皆さま、久宝寺寺内町の歴史を大切に思ってくださる方々のご理解とご支援が不可欠です。

今、守らなければならない大屋根

顕証寺本堂の大屋根は、三百年以上にわたり、本堂を雨風から守り続けてきました。
しかし現在、その傷みは進み、瓦の落下が懸念される箇所もあります。

本堂の耐震性に大きな問題がない今だからこそ、大屋根を守ることが、本堂全体と堂内に残る貴重な意匠を未来へ受け継ぐために欠かせません。

顕証寺は、文化財としての価値を損なわないよう、丁寧な調査と記録を重ねながら、この大屋根修復の実現を目指してまいります。

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